【8月21日 Xinhua News】中国の多くの都市がここ数年、新エネルギー車(NEV)の普及に力を入れ、充電インフラや専用駐車スペースの建設、NEVカーシェアリングの推進などに取り組んでいる。

 広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)柳州市(Liuzhou)発展改革委員会の方華(Fang Hua)副主任によると、同市では市内全域に公共の充電スタンドや充電コンセント、自家用充電コンセントなどのインフラを建設。1万5千台分以上の専用駐車スペース計画を実施しており、一部機関や企業、ビジネス地区などでNEV専用駐車スペースが多数増設された。柳州市は今年4月までに累計9万2700台のNEVの利用を推進しており、電気自動車の走行率は25%を超え、日常的に走行している車100台のうち約25台がNEVとなっている。

 柳州市民の譚博謙(Tan Boqian)さんは「市内でNEVを運転する時にスマートフォンのアプリを使えば、すぐに専用駐車スペースと充電設備が見つかる。面倒なことは何もない」と語った。

 中国自動車大手、上汽通用五菱汽車規画部の許氷(Xu Bing)総監は、手頃な価格の電気自動車を通勤用に求める若者の需要や、2台目として小型車を求める家庭の需要に加え、環境に配慮したスマートな都市交通環境を整備する需要もあり、さまざまな要因が重なってNEVがより多くの人に注目されるようになったと説明した。

 許氏によると、同社は二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラル(炭素中立)実現を目指す国の発展戦略に積極的に対応し、NEVの普及を精力的に推進し、独自に開発したグローバル小型電気自動車(GSEV)プラットフォームを構築している。同プラットフォームは、小型新エネルギー車の製品グループに基づいて構築されたグローバルな小型電気自動車の枠組みであり、小型電気自動車の空間、安全性、エネルギー消費、エネルギー補給、サービスを新たに定義づけした。

 2017年以降、「宝駿」ブランドの小型EV「E100」や「E200」「宏光MINI EV」など、五菱の小型NEVの累計販売台数が46万台を超えた。今年上半期(1~6月)の販売台数は18万9600台に達し、わずか半年で昨年の通年販売台数を上回り、中国で純電気自動車の売上でトップとなった。五菱の「宏光MINI EV」は、中国のNEV単一モデルとして販売台数が10カ月連続トップとなり、今年1月と4月の2度にわたり、世界のNEV市場の首位に立った。

 「宏光MINI EV」を購入・使用するユーザーのうち、「90後」(1990年代生まれ)の割合が72%を占め、男女別では女性オーナーが60%以上を占めている。都市部の若者は、個性的で自由なものを好む傾向にあり、それがNEVの改造ビジネスブームを巻き起こした。

 NEV走行率の増加により、都市の大気環境は大きく改善した。昨年通年における柳州市の大気環境優良日数の割合は96・7%で、前年から5・2ポイント増加した。

 方氏によると、柳州市は新エネルギーを利用した公共交通事業の発展に注力しており、数多くのNEVカーシェアリングを導入。このほか、地元のタクシーやバス、配車サービス車両、物流トラック、環境保護や公園の維持管理など市の行政サービスで使われる作業車などは、全て電気自動車に置き換わりつつある。地元では現在、ガソリンスタンドと協力して充電スタンドを建設するなど、総合的なエネルギーサービスモデルの構築を積極的に模索している。(c)Xinhua News/AFPBB News