【8月20日 People’s Daily】真夏、中国貴州省(Guizhou)六盤水市(Liupanshui)水城区(Shuicheng)のキウイフルーツ産業ベルトに足を踏み入れると、たわわに実ったキウイが迎えてくれる。収穫後、キウイ農家はまず写真を撮ってSNSに投稿する。

「莫博士、この現象は普通のことなんでしょうか?」と、水城区東部農業産業区管理委員会の園芸師である張栄全(Zhang Rongquan)さんは、写真に写った果実に白い斑点ができているのを見て、貴州大学(Guizhou University)農学部植物保護専攻博士課程に在籍する莫飛旭(Mo Feixu)さんに助けを求めた。

「軟腐病に感染している可能性がありますので、実際に見て判断しますね」と、莫飛旭さんは4人の仲間と水城区に向かった。彼は貴州大学の「博士村長」キウイチームの責任者で、いいかげんなところが全くない。「まさに軟腐病でした。この病気は果実を内側から腐らせるもので、初期には気づきにくいのです。すでに10%の樹が感染していますので、急いで手を打たねば、今年は2割の減収になるでしょう」

 莫飛旭さんの指導教官である龍友華(Long Youhua)教授は、貴州省におけるキウイ産業の第一人者で、彼の指導の下、莫飛旭さんの研究チームは迅速に詳細な治療方法を定め、貴州省の青果組合は果樹農家が参考にできるように夏の管理技術ポイントを発表した。

「自分が学んだことが人々の問題解決に役立つのですから、誇りに思います」。キウイの病害が好転するのを見て、莫さんはやっと安心できた。2017年から貴州大学が始動させた「博士村長」プロジェクトは、農業分野における12の基幹産業専門団体と大学が連携し、博士課程に在籍する院生を中心に、修士課程の院生が補助実践チームを構成し、産業振興や科学技術の応用サービス、人的サポートなどの活動にあたる。

「『博士村長』プロジェクトの始動以来、私たちはすでに300余りのチームを組み、のべ1万人以上が農村の発展サポートの仕事に深く関わっています」。夏休みに入ったというのに、貴州大学共産党委員会大学院生部の綦婭(Qi Ya)副部長は忙しそうだ。「現在は40人の院生が『博士村長』実践チームの一員として出動し、常にサービスを展開しています」と話す。

「私たちはみんな農業技術に従事しており、論文も田畑のへりで書きます。地に足の着いた現代農業の夢追い人なのです」と、貴州大学動物科学学部水産養殖専攻の修士課程に在籍する紀達(Ji Da)さんは言う。彼は「博士村長」生態系に優しい漁業チームのチームリーダーを務め、まもなくチームを率いて都勻市(Duyun)へ行き、地元固有種である都イン紅鯉の人工繁殖試験を行う。「すでにふ化させた第1世代の交配には成功しています。私たちはなるべく早くに、ふ化と成長が早く質の良い新品種を勝ち取り、養殖農家により高い経済的利益をもたらさねばなりません」(c)People’s Daily/AFPBB News