【8月19日 AFP】イスラム主義組織タリバン(Taliban)によるアフガニスタン制圧後、オランダとして初となる国外退避する人を乗せた航空機が17日、首都カブールを飛び立ったが、オランダまたはアフガニスタン国籍の人は一人も乗っていなかった。オランダ外相が18日、明らかにした。米軍に搭乗を阻止されたという。

 オランダのシグリット・カーフ(Sigrid Kaag)外相によると、米軍は17日、カブールの空港でオランダのジェット機に対し、駐機場にわずか30分だけとどまる許可を与えた後、離陸を命じた。

 約40人が搭乗できたが、オランダまたはアフガニスタン国籍の人は一人も乗れなかった。多くの人は、米軍が警備に当たっている空港のゲートの外で立ち往生し、搭乗に間に合わなかった。

「大勢の人が集まり、子どもや家族と一緒だった。空港のエントランスの所にいた。ひどいことだ」とのカーフ氏の談話を、オランダのANP通信が報じた。

 カーフ氏は、こうした問題が二度と起きないよう米国側に要請すると明らかにした。18日にドイツのハイコ・マース(Heiko Maas)外相とも協議するという。

 アフガニスタン系のオランダ国籍の男性は公共放送NOSに、米兵が警備しており、時間内に搭乗ゲートに入ることが許されなかったと話した。

「パスポートを見せて、私はオランダ人だと伝えた。騒然としていて、相手の米国人が言っていることがよく聞き取れなかった」と男性は語り、「オランダ人だと3回言ったところ、近寄るな、撃つぞと言われたので、その場を離れることにした。撃たれる危険を冒したくなかった」と続けた。

 オランダは18日にようやく、国民をアフガニスタンから避難させるのに成功した。同国国防省のツイッター(Twitter)の投稿によると、35人のオランダ人、ベルギー人、ドイツ人、英国人を乗せた航空機はカブールを出発し、ジョージアの首都トビリシに向かった。(c)AFP