【8月18日 AFP】国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長は18日、東京パラリンピックの無観客開催は「挑戦」になると認めながらも、「かつてないほど多くの人々」の心を動かすと確信していると述べた。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は今週、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から、24日に開幕するパラ競技も東京五輪同様、原則無観客で開催すると決定した。

 パーソンズ会長はAFPに対し、「もちろん、会場に観客がいないという事実は挑戦だ。しかし、放送を通じて40億人以上の心を動かすとわれわれは信じている」と語った。

 現在、日本全国で新型コロナウイルスの感染者が急増している。感染力の強い変異株「デルタ株」の影響で、1日当たりの新規感染者が過去最多の2万人を超える日もある。

 政府はパラリンピック開催の姿勢を貫いており、大会は安全に開かれると強調している。

 パラリンピックに出場予定の選手約4400人は、五輪選手同様、毎日の検査や移動制限を受けることになる。

 パーソンズ会長は「東京、そして日本で感染者数がどんどん増えていることは承知しており、われわれは日本社会とアスリートを守りたいと思っている。自己満足に陥るつもりはない」と語った。

 すでにパラリンピック関係者58人の感染が確認されているとはいえ、パーソンズ会長はパラリンピックが「ウイルスのスプレッダーになることはない」と主張した。

 また「日本国民は誇りを感じるだろう」と述べ、「自国のパラリンピック選手についてだけではない。日本国民は世界を変えるイベントを開催しているからだ。私は(五輪と)同様のポジティブな波が広がると思っている」と期待を示した。

 パーソンズ会長はさらに「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は、さまざまな社会で障害者に対する不平等を浮き彫りにした」と指摘。

「今まさに、障害者がその声を広く届けることを必要としている時だ。パラリンピックは、障害者が表舞台に立つ唯一の国際イベントであり、東京大会は史上最も重要なパラリンピックとなるだろう」と述べた。(c)AFP/Andrew MCKIRDY