【8月18日 Xinhua News】中国の王毅(Wang Yi)国務委員兼外交部長は16日、求めに応じ米国のブリンケン国務長官と電話会談し、アフガニスタン情勢と中米関係について重点的に意見交換した。

 ブリンケン氏は中国がカタールの首都ドーハで開かれたアフガン問題に関する会合に参加したことに感謝の意を表し、次のように述べた。アフガン情勢は現在、重要な段階に入りつつある。タリバンは過激主義と一切の関係を絶ち、秩序ある権力移行と包容性のある政府の樹立を選択すべきだ。中国もそのために重要な役割を果たすことを期待する。米国はアフガンの将来をアフガン人民が決定することを認め、タリバンに対し、アフガンを離れたい全ての人の安全を確保すべきだと呼び掛ける。

 王毅氏はアフガン情勢に対する中国の立場を説明し、次のように述べた。事実が改めて証明しているように、外来のモデルを歴史や文化、国情の全く異なる国に無理に当てはめてもなじまず、結局のところ成立させるのは難しい。政権というのは人民の支持がなければ成り立たず、強権や軍事手段で問題を解決しても問題をますます増やすだけだ。こうした面の教訓は真剣に反省するに値する。

 王毅氏はまた次のように述べた。中国は米国との意思疎通と対話により、アフガン問題の軟着陸を実現させ、アフガンで新たな内戦や人道災害が二度と起きないよう、アフガンがテロリズムを引き起こし保護する地に二度とならないよう促し、アフガンの国情に合い、開かれた包摂的な政治的枠組みを確立することを奨励したい。米国はアフガンの安定維持、混乱防止、平和再建にあたり建設的役割を果たすべきだ。米国は前の段階で慌ただしく軍を撤退させ、アフガン情勢に深刻なマイナスの影響をもたらした。次の段階で再び新たな問題をつくり出せば、それはなおのこと責任ある態度ではない。

 王毅氏は次のように強調した。米国の前政権は「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」のテロ組織認定を取り消すと宣言し、対テロ問題で二重基準を用いた。これは危険で、誤りでもある。米国はこれまでのやり方を抜本的に改め、アフガンに関する中米の協力と国際的な対テロ協力の障害を取り除くべきだ。

 王毅氏はさらに次のように表明した。中米はいずれも国連安全保障理事会常任理事国で、現代の国際システムの重要な参加者でもある。尽きることのない世界的課題と解決が待たれる地域の紛争地問題を前にして、中米が協調や協力を展開するのは当然で、それは国際社会の普遍的な期待でもある。しかし、米国は中国を封じ込め、抑え込み、中国の正当な権益を損なうことに知恵を絞りながら、中国の支持や協力を当てにすることはできない。国際的な付き合いでこのようなロジックが存在したことはこれまで一度もない。中米はイデオロギー、社会制度、歴史・文化が異なる。これは客観的事実で、いずれの一方も相手を変えることはできない。正しいやり方は相互尊重を踏まえた上で、両大国がこの星で平和共存する道を共に探すことである。米国が何を求めようとも、中米関係は最終的にはこのような前途を追い求め、このような道を進むしかないことを、歴史が必ず証明するだろう。米国は理性的で実務的な対中政策を取り、中国の核心的利益と重大な懸念を尊重し、両国元首の電話会談の精神に従い、対話を強化し、意見の食い違いを調整して、中米関係を早期に正しい軌道に戻さなければならない。

 ブリンケン氏は次のように述べた。米中が重大な国際・地域問題で意思疎通を続けることが非常に重要だ。私は米中の平和共存の実現が共通の目標であることに同意する。双方が協力を追求し、展開していくことを願う。米中には明らかな意見の相違ももちろんあるが、今後、建設的な方法で徐々に解決していくことができる。米国はあらゆる形のテロリズムに反対し、中国西部国境地域に動揺が生じることを求めていないことを改めて表明する。アフガン情勢の変化が改めて示しているように、米中が建設的、実務的な方法で地域の安全保障問題について協力することが非常に重要だ。(c)Xinhua News/AFPBB News