【8月17日 AFP】インドネシア当局は17日、絶滅が危惧されるスマトラゾウ1頭の頭部が切断された状態で見つかった問題をめぐり、密猟容疑で5人を逮捕したと発表した。

 先月、スマトラ(Sumatra)島の先端に位置するアチェ(Aceh)州のパーム油農園で、腐敗が進み、頭部と牙がない状態の雄のゾウの死骸が発見されていた。解剖の結果、毒を盛られていたことも分かった。

 アチェ州警察は、1か月にわたる捜査の末、16日に5人を逮捕し、さらにもう一人の容疑者の行方を追っていると明かした。

 同警察によると、容疑者の一人がゾウを殺してその頭部を切断したとみられ、別の容疑者らが象牙の一部を売ろうとしていた。

 5人はインドネシアの野生生物保護法違反で有罪となれば、最高で禁錮10年に処される可能性があるという。

 森林伐採の横行によりスマトラゾウの自然生息地が減り、スマトラゾウと人間の衝突が増えている。また象牙は、違法取引で高値で売買されている。

 近年はゾウが毒殺される事件が相次いでおり、2019年にも毒殺され、頭部と牙を切り落とされたスマトラゾウ1頭が発見された。

 アチェ州の野生動物保護当局によると、州内に生息する野生のスマトラゾウはわずか500頭と推定されている。(c)AFP