【8月17日 AFP】世界各国の指導者は16日、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)による同国制圧という新たな政治情勢に適応しようとしていた。悲観的なムードが漂う欧米諸国に対し、より現実的なアプローチを示す大国もある。

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、タリバンの復権を「極めて劇的で恐ろしい」と表現した。「より自由な社会を求めて活動したり、欧米諸国の支援を受けて民主主義、教育、女性の権利に力を注いだりしてきた何百万人ものアフガニスタン人にとって最悪の事態だ」

■バイデン氏、米軍撤退を正当化

 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は16日、夏季休暇を切り上げて首都ワシントンへ戻り、アフガン情勢をめぐり国民向け演説を行った。「私は自分の決断を堅持する。この20年間で、米軍を撤退させる好機などないということは身をもって学んだ」と述べ、米軍撤退を決めた自身の判断を正当化した。

 バイデン政権は大きな批判を浴びており、同盟国の中からも米軍が撤退を決めた以上、それに従うしかなかったという声が上がっている。

 バイデン氏はアフガン政府の崩壊が予想以上に早かったことを認め、「私たちはアフガンに、自らの未来を決めるためのあらゆる機会を与えたが、その未来のために戦う意思を与えることはできなかった」と述べた。

■足並みをそろえたアプローチ

 先進7か国(G7)首脳会議(サミット)の持ち回り議長国である英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は16日、この危機に「足並みをそろえたアプローチ」で臨むことを合意するためにビデオ会議の開催を呼び掛けた。

 ジョンソン氏はアフガン政府崩壊前の13日、英国とそのパートナー国は「カブールの政府は、あの国(アフガン)を再びテロの温床にしてはならない」と述べていた。

 フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領も16日のテレビ演説で同様の見解を示した。