【8月17日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力で、復権を果たすべく政府側の拠点を次々と制圧したタリバン(Taliban)。その内情と指導部に関する情報の多くは、1996~2001年の政権掌握期間中も常に包み隠されてきた。

 イスラム強硬派タリバンのほとんど知られていない指導部についてまとめた。

■タリバン最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ師

 2016年にアクタル・マンスール(Mansour Akhtar)師が米軍のドローン(無人機)攻撃で殺害された後、タリバンの新指導者に指名されたのが、ハイバトゥラ・アクンザダ(Haibatullah Akhundzada)師だ。

 最高指導者となる前のアクンザダ師は、知名度のあまり高くない聖職者だった。同師が選出されたのは武装勢力の司令官というよりも、精神的指導者としての役割が大きかったとみられている。

 最高指導者に任命された直後のアクンザダ師に対し、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者アイマン・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者は忠誠を誓った。これによって、アクンザダ師はジハード(聖戦)戦士として、タリバンと長年同盟関係にあるアルカイダの信任を取り付けることができた。

 タリバンは当時、前任の最高指導者マンスール師が暗殺され、また創設者オマル師(Mullah Omar)の死を指導部が何年も隠していたことが露見し、激しい権力闘争で短期間だが分裂状態にあった。アクンザダ師に託されたのは、その過激派組織を結束させるという大きな仕事だった。

 これまで、アクンザダ師が公に姿を見せるのは、イスラム教祝祭日の恒例メッセージでのみと大きく限られている。