【8月15日 AFP】トルコ北部の黒海(Black Sea)沿岸で発生した洪水で、災害緊急事態対策庁(AFAD)は14日までに55人が死亡したと発表した。9人が入院している。

 洪水は11日、豪雨により発生した。AFADによると、倒壊した多数の住宅で捜索活動が行われている。

 トルコの半国営アナトリア(Anadolu)通信によると、北部シノプ(Sinop)県のある村では、この洪水で住宅40棟と橋2本が完全に倒壊した。

 トルコが直面している気候変動問題は、2年後に総選挙を控えるレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領に課題を突き付けている。

 洪水のショックが収まるにつれ、疑問や非難が沸き起こっている。

 被災者らは地元当局が適切な暴風雨警報を出さなかったと非難している他、洪水の発生しやすい地域に複数の建物が建設されたことも非難されている。

 カスタモヌ(Kastamonu)県ボズクルト(Bozkurt)では、エジン(Ezine)川岸に立つ8階建ての建物が倒壊した。

 被災者が撮影した動画には、河川の増水によりわずか数分で道路が冠水し、自動車や道路標識が流される様子が捉えられていた。

 2015年のパリ協定(Paris Agreement)を批准していないトルコ政府は、河川の急激な水位上昇と上流にある水力発電所との関連性を否定している。メディアは、貯水ダムが決壊した恐れがあると報じていた。

 映像前半はバルティン(Bartin)県、後半はカスタモヌ県でそれぞれ13日に撮影。(c)AFP