【8月14日 AFP】メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は13日、アステカ帝国の滅亡から500年に合わせて行われた式典で、スペインのアステカ帝国征服は大失敗だったと明言した。

 アステカ帝国の中心地だったメキシコ市のソカロ(Zocalo)広場で開かれた式典には、メキシコ、カナダ、米国の先住民の代表者と、アステカ帝国の皇帝モクテスマ2世(Moctezuma II)の子孫も出席した。

 ロペスオブラドール氏は、スペイン人のコンキスタドール(征服者)が病気をもたらし、大量の金を略奪したと非難した。

 さらに、「大惨事、破滅的な出来事、カタストロフィー、呼び方はどうあれ、征服は完全な失敗だったと言える」として、「何百万人もの命が失われ、植民地にされた300年の間に人口を征服以前の水準にまで回復させることができないとしたら、何が文明だ」と述べ、アステカ帝国の征服と植民地化は「文明ではなく、後進性の表れだ」と切り捨てた。

 ロペスオブラドール氏は、「メソアメリカ(Mesoamerica)とそれ以外の現在のメキシコ領に当たる地域をスペインが軍事占領したことで引き起こされた大惨事の犠牲者に許しを請う」と述べた。

 左派のロペスオブラドール氏は以前にも、アステカ帝国征服をめぐり、スペインとローマ・カトリック教会に謝罪を求めている。(c)AFP