【8月13日 Xinhua News】ゴルフは世界の人気スポーツだが、中国では約900年前の宋代に中国版ゴルフともいえる「捶丸(すいがん)」が一世を風靡(ふうび)し、皇帝から庶民までが親しんだ。

 江西省(Jiangxi)博物館の収蔵品に、同省吉安市(Jian)の吉州窯跡から出土した宋代褐彩磁器の捶丸がある。素地はベージュ色で、表面には顔料で褐色の渦巻き模様が描かれている。同館で陶磁器を管理する陳之川(Chen Zhichuan)さんは、中が詰まっており、大きさはゴルフボールとほぼ同じだと説明。「宋代吉州窯の生産規模や商業化の程度を考え合わせると、捶丸は当時の人気商品だったと推測できる」と語った。

 陳さんによると、捶丸の起源は唐代の「歩打球」で、宋から金、元にかけて成熟して広まり、盛んとなった。元の世祖フビライの至元19(1282)年には捶丸に関する専門書「丸経」も編さんされた。同書の記載によると、捶丸は杖で球を打つとあり、競技場所の選定やホールの設置など驚くほどゴルフに似ているという。

 丸経には「宋の徽宗と金の章宗が捶丸を好んだ」と書かれており、捶丸が当時既に普及していたことが分かる。宋~元代の壁画や宮廷画、磁器枕にも捶丸に関する絵を多く目にすることができる。(c)Xinhua News/AFPBB News