【8月13日 AFP】先月大規模な洪水に見舞われた中国中部・河南(Henan)省鄭州(Zhengzhou)市で、損傷して泥まみれになった無数の車が駐車場に集められ、期せずして水害の威力を物語る伝承碑のような存在となっている。

 7月中旬、河南省各地で記録的豪雨による水害が発生し、300人以上が死亡、多数の車や建物が被災した。現在は復興作業が進められている。

 鄭州市民の王さんは、「水かさが増したので、車を捨てざるを得なかった」と語った。

 河南省保険当局のトップは10日、国営中国中央テレビ(CCTV)で、少なくとも23万8000台の車が鄭州市郊外の「墓場」のような場所に集められていると述べた。

 同省で最も深刻な被害を受けた鄭州市では、3日間で平年の1年分の雨が降り、290人以上が死亡した。

 米金融大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が7月に発表した報告書によると、水害で多数の車や建物が被災し、保険金請求額は過去最高の17億ドル(約1900億円)となった。

 河南省政府は先週、水害による経済損失が206億5000万ドル(約2兆2800億円)以上になったと発表し、速やかな補償を約束した。

 しかし、補償は遅々として進まず、不満の声が上がっている。車1台を失った王さんは、「補償を受けるには、何十枚もの書類に記入しなければならない。本当に頭が痛い」と述べた。(c)AFP