【8月13日 AFP】米連邦当局は11日、子ども2人を水中銃で殺害したとして、父親の男を訴追した。男は「Qアノン(QAnon)」などの陰謀論に感化され、「蛇のDNA」を持つ怪物から世界を救うため犯行に及んだと供述している。

 訴追状によると、マシュー・テイラー・コールマン(Matthew Taylor Coleman)容疑者(40)はカリフォルニア当局に対し、自らの行いが悪いことであると理解していたものの、「世界を救う唯一の方法だった」と語った。

 コールマン容疑者は、2歳の息子と生後10か月の娘を連れてメキシコに入国し、2人を殺害。米国に帰国した際に逮捕され、国外での米国民殺害の罪で訴追された。

 容疑者の妻は今月7日、夫が子どもらを連れて自宅を出た際に異変に気づいた。容疑者は2人をキャンプに連れて行くと言ったものの、行き先は明かさず、通話やメールに応答しなかった。容疑者はチャイルドシートを持っていくこともなかった。

 警察が8日にiPhoneの「探す」アプリで容疑者の居場所を追跡したところ、最終位置情報がメキシコのロサリト(Rosarito)と示された。連邦捜査局(FBI)は9日、国境を越えて米国入りした容疑者を逮捕した。

 コールマン容疑者は、水中銃で子ども2人を殺害し、遺体をメキシコに遺棄したと自供。遺体はメキシコ当局により発見された。

 訴追状によると、容疑者は「子どもたちがモンスターに成長すると信じていたため、殺さなければいけなかった」と供述。「Qアノンとイルミナティ(Illuminati)の陰謀論に啓蒙(けいもう)され、幻影やお告げを受け取る」ようになり、妻が持つ「蛇のDNA」が子どもたちに受け継がれたとの啓示を受けて「モンスターから世界を守る」ために犯行に及んだと話している。(c)AFP