【8月12日 AFP】イタリアの消防当局は12日、前日からの一晩で500件以上の山火事に対応したと明かした。1人の死亡も新たに確認され、1週間続く複数の山火事での死者は計4人となった。

 イタリアは現在、「ルシファー(Lucifer)」と呼ばれる高気圧に覆われており、南部シチリア(Sicily)島では11日、欧州の観測史上最高気温とみられる48.8度が記録された。

 同国では、焼け付くような高温が数日続く見通しで、特にシチリアとカラブリア(Calabria)州など南部で深刻な被害を招いている山火事がさらに悪化する恐れがある。

 消防当局は12日朝、直近の12時間で528件の消火活動に当たり、うち230件がシチリア島内だったと発表した。これを受けてシチリア当局は、緊急事態を宣言した。

 イタリアから地中海を挟んで対岸に位置するアルジェリアでも、山火事が多発。死者は69人に上り、同国は12日から3日間の国喪に入っている。

 AFPが独自に入手した国連(UN)報告書の草稿で、地中海地域は「気候変動のホットスポット」だと指摘されている。温暖化と乾燥の悪化が山火事シーズンを長引かせ、延焼面積が倍増する恐れがあるという。(c)AFP