【8月12日 AFP】全米で新型コロナウイルス感染が再拡大する中、サウスダコタ州の小さな町スタージス(Sturgis)では今週、オートバイ愛好家らによる最大集客数50万人の大規模イベントが開催されている。

 昨年の同イベントは26万人以上への集団感染を引き起こしたと指摘されており、保健当局は感染力の強い変異株「デルタ株」の出現で、今年の集会が「スーパースプレッダー」イベントと化す恐れは昨年以上に高まっていると警告していた。

 だが、主催者側は、今年で81回を迎える10日間のイベントは地域の社会と経済にとって非常に重要で、中止はできないと主張した。

 健康保健上の懸念について問われた役場の広報担当者は、ワクチン接種の提供や、イベントの多くが屋外で行われること、バー内部の混雑防止のため屋外での飲酒を町が許可していることなどを強調。「今年、人々は外に出てまた旅を楽しみ、久々に友人と会えることをただ喜んでいる」と語り、「今は誰も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のことなど心配していない」と述べた。

 集会の参加に当たってワクチン接種や検査、マスクの着用は義務化されていない。消毒薬やマスクも提供されているが、参加者のほとんどはマスクを着けていない。

 会場では無料の検査やワクチン接種を受けられるが、免疫がつくのは接種から数週間後だ。

 昨年の集会には、全米から44万5000人が参加。昨年12月に専門誌「サザン・エコノミック・ジャーナル(Southern Economic Journal)」に掲載された研究論文によると、このイベントが感染源となって、新たに26万人以上が新型コロナに感染したとみられる。(c)AFP