【8月12日 AFP】アフリカ南西部ナミビア政府は11日、競売に掛けていた生きたゾウ170頭のうち、売れたのは3分の1のみだったと明らかにした。政府は昨年、干ばつによりゾウの個体数を削減する必要があることや生息地での人間との衝突を理由に、ゾウを販売するとの新聞広告を出していた。

 環境省は、「2020年12月に競売に掛けた170頭のゾウのうち、57頭が落札された」と発表した。落札総額は590万ナミビア・ドル(約4400万円)。57頭のうち42頭は輸出されるが、輸出先は公表されていない。残りの15頭は国内で個人所有される。

 公式の推計によると、ナミビアには約2万8000頭のゾウが生息している。

 生きたゾウの競売をめぐっては、政府が以前、個体数抑制のためにゾウを撃ち殺したことに批判が集まったため、生体販売することにした経緯がある。

 環境省の報道官は、入札が伸び悩んだ理由として、買い手が少なく、販売条件に合わない入札者がいたことを挙げた。

 また、「今回の競売自体の評判が悪かったため、入札を控えた人もいたかもしれない」と話した。(c)AFP