【8月11日 CGTN Japanese】8月8日に東京五輪を終え、無事帰国した中国の選手たちは家族との再会を先延ばしにし、感染症に対する防疫規定に基づいて、海外から入国する一般人と同様に21日間の隔離期間に入りました。

 家族とはすぐに会うことはできませんが、ビデオチャットを通して試合の話などをしたりしています。エアライフルで金メダル2個を獲得した楊倩(Yang Qian)選手は浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)出身。実家にいる両親と共にビデオチャットで質問した記者に対し、彼女は「とても両親と会いたい。母が作った手料理が食べたい。隔離が終わったら、一番したいことは家族と過ごすこと。そして一緒に遊園地に行きたい」という思いを明かしました。

 体操競技男子種目別平行棒の金メダリストである鄒敬園(Zou Jingyuan)選手は隔離場所に入るとすぐに両親とコーチに連絡を取りました。四川省(Sichuan)宜賓市(Yibin)にいる両親は、待ちきれずに鄒氏の帰宅後の衣食住をすべて段取り済みです。父親は彼と川下りしたり、翠屏山に登ったり、時間があれば釣りをしたいと語りました。鄒氏は、「金メダルを取って国歌を歌うという幼い頃からの夢が今回叶った。マスクを着けて歌ったのは少し残念だ。パリ五輪の時にはコロナが収束して、表彰台でマスクを着けずに国家を歌いたい」と、次期の目標を語りました。

 アーティスティックスイミングの2種目で銀メダル2個を獲得した黄雪辰(Huang Xuechen)選手は、隔離先から上海にいる母親とのビデオ通話で、「何事もプロセスが大事だ」と微笑みながら話しました。

 黄選手にとって、東京大会は4度目のオリンピックでした。3年前に出産した直後に復帰を決めた黄選手は、娘を家族に預けて特訓に臨みました。妊娠で増えた体重を30キロも落とし、並々ならぬ努力を続け今回のメダル獲得につなげました。中国では9月15日に、全国運動会が西安(Xi'an)で開幕します。21日間の隔離期間を終えた後、黄選手も西安に向けて準備を始めます。孫娘を連れて会場へ応援しに行きたいという母親の願いを聞いた黄選手は微笑みながら、「ぜひ来てほしい。何事もまずは頑張ってみる。結果よりもプロセスを貫くのが大事。それを娘にはぜひ現場で感じてもらいたい」と会話を交わしました。

 多くの五輪選手は大衆との交流を深めるためにSNS動画アプリで個人アカウントを開設し、自身の隔離生活をシェアしています。

 卓球混合ダブルスで銀メダルを獲得した劉詩雯(Liu Shiwen)選手は皆からの応援に感謝し、頑張り続ける決意を語りました。また、競泳男子200メートル個人メドレーで金メダルを獲得した汪順(Wang Shun)選手のように、多くの選手は隔離期間中もトレーニングを続けています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News