【8月12日 Xinhua News】中国雲南省(Yunnan)で移動を続けている野生アジアゾウの群れは、4月に生息地を離れて昆明(Kunming)まで北上した後、南に引き返し、8月8日夜に最大の難関である元江本流を越えた。

 雲南省林業・草原局の万勇(Wan Yong)局長は9日の記者会見で、アジアゾウの群れは110日余り、1300キロ以上移動したと述べた。人とゾウの安全を確保するため、沿線住民延べ15万人以上を避難、移転させたという。

 アジアゾウの群れは4月16日から110日余りにわたり、玉渓市(Yuxi)、紅河ハニ族イ族自治州、昆明市の8県・市・区を通過した。8月8日午後8時8分、14頭のアジアゾウが橋を渡って元江本流を無事に越え、引き続き南を目指した。7月7日にシーサンパンナ国家級自然保護区に戻された雄を加えると、北上した15頭が全て南に引き返した。

 万氏は「アジアゾウの群れの全体的な状況は安定しており、途中で人やゾウの死傷者が出ておらず、ゾウの群れの安全警備や緊急処理作業に決定的な進展が見られた」と説明した。

 雲南省はアジアゾウの群れへの対応でさまざまな策を講じ、人とゾウの安全を確保した。8日までに全省で警官と行政職員合わせて延べ2万5千人以上、ドローン973機を出動させたほか、住民15万人を避難・移転させ、ゾウの餌180トン近くを投入している。

 万氏によると、アジアゾウの群れは元江を無事越えたが、関連する安全警備や緊急処理作業は今後も続けられる。(c)Xinhua News/AFPBB News