【7月10日 AFPBB News】銀河とは、重力によって結び付いた恒星やガス、微粒子、暗黒物質(ダークマター)からなる大集団だ。

 最小規模の銀河は直径が数千光年、含まれる星の数は数百万個程度。最大規模の銀河は直径が数十万光年で、数兆個もの星が含まれるものもある。ほぼすべての大型銀河は中心に超大質量ブラックホールがあると考えられている。

 太陽系がある天の川銀河(銀河系、Milky Way)は直径約10万光年、約2000億個の星が含まれている。太陽を含むこれらの星は、天の川銀河の中心にある、太陽の400万倍の質量を持つ超大質量ブラックホール「いて座A*(Sagittarius A*)」の周りを回っている。

 銀河は多くの場合、「銀河群」「銀河団」「超銀河団」と呼ばれる集団を形成している。

 天の川銀河は、直径約600万光年の範囲に数十個の銀河が集まる「局部銀河群(Local Group)」に属する。天の川銀河の伴銀河で、太陽系から約20万光年の距離にある大マゼラン雲(Large Magellanic Cloud)と小マゼラン雲(Small Magellanic Cloud)や、約250万光年離れたアンドロメダ(Andromeda)銀河(M31)も局部銀河群に属している。

 局部銀河群は、天の川銀河から約6000万光年離れた「おとめ座銀河団(Virgo Cluster)」を中心に100以上の銀河群や銀河団が含まれる「おとめ座超銀河団(Virgo Supercluster)」の中に位置する。おとめ座超銀河団はさらに、約5億光年の領域に広がる「ラニアケア超銀河団(Laniakea Supercluster)」の一部となっている。

 宇宙空間における銀河の分布は一様ではなく、銀河団のように銀河が密集する領域の合間に、銀河がほとんど存在しない空間(ボイド)があることが分かっている。連なるせっけんの泡によくたとえられるこうした分布は「宇宙の大規模構造」と呼ばれている。

 宇宙をより奥深く、より遠方まで観測するほど、より多くの銀河が見えてくる。ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)の探査活動「ハッブル超深宇宙領域(ハッブル・ウルトラ・ディープフィールド、HUDF)」で撮影された130億光年以上かなたの深宇宙を含む画像には、全天の3000万分の1ほどの範囲に5500個もの銀河が写り込んでいる。2016年の研究では、観測可能な宇宙に約2兆個の銀河が存在すると推定している。

 遠方の光源と地球との間に銀河団のような巨大な物質分布が存在すると、「重力レンズ」と呼ばれる現象が発生する。大質量天体の周囲では重力場によって、その背後の光源から発せられた光が曲がり、増光効果が生じる。その光源を地球から見た場合、巨大な拡大鏡を通したように見えるのだ。

 物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)が1915年に発表した一般相対性理論の証拠の一つとされる重力レンズ効果は現在、遠方銀河や太陽系外惑星など、遠くて光が弱いために見えない天体の観測に利用されている。(c)AFPBB News