【8月11日 AFP】(更新)アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は10日、西部ファラー(Farah)州ファラー市と北部バグラン(Baghlan)州プリフムリ(Pul-e-Khumri)の州都2都市を掌握した。地元当局者らが明らかにした。タリバンはここ1週間足らずで両市を含む8州都を制圧。北部ではタリバンの攻勢を受けて数万人が首都カブールなどに避難している。

 今月6日以降に陥落した州都のうち、6都市は北部にある。タリバンはさらに北部の最大都市マザリシャリフ(Mazar-i-Sharif)の制圧を目指しており、同市が陥落すれば長年にわたり反タリバン地域だった北部での政府支配は完全崩壊する恐れがある。政府軍はまた、タリバンの地盤であるカンダハル(Kandahar)とヘルマンド(Helmand)の南部パシュトゥー語圏2州でもタリバンとの戦闘を続けている。

 今月末までに駐留部隊の完全撤収を予定している米軍はすでに戦場からほぼ撤退しているが、米国のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)アフガン和平担当特別代表はカタールでタリバンと協議を開き、停戦を受け入れるよう説得する予定だ。

 ただ米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、形勢を変えられるかどうかはアフガン政府と軍にかかっており、米国ができることは「多くない」と述べている。

 国内で戦闘が激化する中、タリバンに制圧された都市からは多数の住民が避難。北部シェベルガン(Sheberghan)州からカブールに逃れた住民は、タリバンが暴力行為や略奪に及び、少女や女性を拉致したと語った。国際移住機関(IOM)は10日、今年だけで戦闘により35万9000人以上が避難民化したと発表した。(c)AFP