【8月10日 People’s Daily】第44回世界遺産委員会が7月16日に、中国福建省(Fujian)福州市(Fuzhou)で開かれた。期間中、「世界遺産保護管理・能力開発—未来に向けた中国とアフリカの協力」をテーマにした二国間会議が7月19日に開催された。国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)のスタッフ、国際機関の代表、中国とアフリカの専門家や学者など約150人が出席した。2019年に開始した中国・アフリカの世界遺産分野での初歩的な協力成果を振り返り、アフリカと中国が現在の世界遺産保護管理と能力開発の状況を共に検討し、5年にわたる中国とアフリカの世界遺産保護管理・能力開発の長期計画をまず形成した。

 アフリカは多彩な自然と人文資源を持つ大陸だが、社会・経済発展などの各方面の要因により、アフリカの世界遺産への登録、管理、保護が長らく遅れている。

 アフリカ世界遺産基金(AWHF)のヴァーリス(Souayibou Varissou)事務局長によると、アフリカではまだ12か国の世界遺産登録数がゼロで、世界の危機遺産53件のうち22件がアフリカにある。彼はAWHFへの支援を強化し、アフリカの世界遺産保護能力を向上させるよう訴えた。

 中国ユネスコ全国委員会主任で、第44回世界遺産委員会の田学軍(Tian Xuejun)主席は、今大会は政策制定、能力開発、国際援助および上流での手続きなどの面で「アフリカ第一」を体現し、世界遺産の代表性を強化し、公平性を改善するよう努力して推進すると述べた。

 田氏は、中国は中国アフリカ運命共同体の共同構築理念の下、アフリカの世界遺産保護分野における協力を高度に重視し、ユネスコ世界遺産・中国・アフリカ能力開発と協力フォーラムを開催し、ウガンダ、ベナン、タンザニアなどアフリカ諸国の世界遺産地管理者向けの遺産リスク管理と保護の研修を支援した。彼は次のように強調した。ユネスコの「アフリカ第一」のグローバル事項を実行し、アフリカ諸国の世界遺産保護事業における地位と役割を顕在化させるには、より大きな努力を払い、より多くの力を凝集させる必要がある。中国はアフリカ諸国の世界遺産保護活動や、発展途上国の人材育成への支援をさらに進め、世界遺産保護分野の人材育成計画を実施する。

 ユネスコ世界遺産センターのロスラー(Mechtild Rössler)センター長は次のように提案した。アフリカは世界遺産への登録、管理、監視などの面での能力開発を早急に強化する必要がある。ユネスコのプラットフォームを通じたアフリカの世界遺産保護活動への中国の多大な努力に感謝する。中国とアフリカが世界遺産保護分野でより多くの新たな協力成果を得ることを期待している。

 清華大学(Tsinghua University)建築学院国家遺産センターの呂舟(Lv Zhou)主任は次のように述べた。アフリカの世界遺産は世界遺産システム全体にとっても欠くべからざる、非常に特色のある構成要素だ。現在の「世界遺産リスト」中のアフリカ遺産の代表性不足の課題を解決するには、アフリカの遺産登録の能力開発の向上の継続のみならず、世界がアフリカの歴史文化の独自性をより深く認識し、アフリカ遺産の特徴に合った認識と解釈の体系を構築し、アフリカ遺産の文化的価値を示す必要がある。

 討論を経て、双方は5年間にわたる世界遺産保護管理・能力開発長期計画を初歩的に形成した。アフリカと中国の世界遺産分野の専門家、学者、遺産地の管理者の直接的な知識交流プラットフォームを構築し、経験の交流と共有を強化し、共に能力開発を行い、世界遺産保護管理のレベルを高めることを旨とする。(c)People’s Daily/AFPBB News