■「イベリアオオヤマネコの生産工場」

「この結果に喜ぶと同時に驚いています」とエル・アセブチェ飼育センターのコーディネーター、アントニオ・リバス(Antonio Rivas)氏はAFPに語った。5か所の飼育センターが今や「イベリアオオヤマネコの生産工場」になったと話す。

 同センターで職員らは、自然環境を再現した広大な囲い付きの公園内でイベリアオオヤマネコを保護して繁殖させる一方で、できるだけ人間に慣れさせないように距離を置いている。

 現在、野生のイベリアオオヤマネコの主な死因は、密猟など人間の活動に関連しているとリバス氏は指摘した。「ですから、人間との接触が少ないほどいいんです」

 センターのイベリアオオヤマネコが餌にするのは生きたウサギだが、ウサギを入れた箱を開けるのは、職員が箱を置いて数時間たってから。この時間差のおかげで、イベリアオオヤマネコがウサギと人間の存在を結び付けることはないと職員のアントニオ・パルド(Antonio Pardo)氏は言う。

 パルド氏も他の職員も全員マスクをしている。イベリアオオヤマネコも、他のネコ科の種と同様、新型コロナウイルスに感染する可能性があるからだ。

 職員らは、数台のカメラやマイクで24時間、イベリアオオヤマネコの行動を監視している。