■復活のオーストラリア競泳勢

 オーストラリアは女子選手の活躍もあり、競泳で米国の最大の挑戦者としての地位を改めて確かなものにした。

 獲得した20個のメダルのうち金は9個。オーストラリアの五輪競泳陣としては過去最高だ。リオ大会の金3個、メダル総数10個から躍進した。

 両国の競泳陣の金メダル数を比べると、2012年ロンドン五輪では米国が16個、オーストラリアは1個。4年後のリオ大会では米国が16個、オーストラリアは3個だった。

 オーストラリアのベテラン選手ケイト・キャンベル(Cate Campbell)は、過去の五輪4大会で自国競泳陣の浮き沈みを目にしてきた。そして「復活」が東京での合言葉だったと言う。

「その言葉を言い合って、私たちが見舞われたいろいろな問題に順応しようとしていた。それでも、オーストラリア水泳チームの中では勢いが高まっていた」

 エマ・マキーオン(Emma McKeon)は、東京大会で4個の金メダルと3個の銅メダルに輝き、女子選手としては初めて1大会で7個のメダルを獲得した。

 カイリー・マッケオン(Kaylee McKeown)は、100メートルと200メートルの女子背泳ぎで優勝。アリアン・ティットマス(Ariarne Titmus)は200メートルと400メートルの女子自由形で前回勝者のレデッキーを抑え金メダルに輝いた。

 ヘッドコーチのローハン・テーラー(Rohan Taylor)氏は、成功の理由として、米国に倣って国内予選会を五輪に近づけたことに加え、家庭的なチーム環境を挙げている。

「ここぞという時に力を発揮した素晴らしい選手たちがいたのは言うまでもない。しかし、私が最も力を入れたのは、(チーム)環境を選手にとっての家、家族と一緒のような場にすることだった」

 英国は競泳で金4個を含む8個のメダルを獲得。英競泳陣による五輪でのメダル総数としては過去最高となった。

 男子100メートル平泳ぎで金メダルに輝いたアダム・ピーティ(Adam Peaty)は、「このチームの一員であることが、今まであり得なかったほどの力を与えてくれた」と語る。「英国の水泳は(良い方向に)ひっくり返った。結果を出して、高く飛び上がった。その裏では多くの人が一団となって支えている」 (c)AFP/Martin PARRY