【8月7日 AFP】サッカースペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)のジョアン・ラポルタ(Joan Laporta)会長は6日、リオネル・メッシ(Lionel Messi)の退団が決まったのは、財政難の同クラブがスター選手のメッシに報酬を支払えないことが理由だったと説明した。

 記者会見を開いたラポルタ会長は、リーグ戦開幕を前にバルセロナは大きな財政問題を抱えており、メッシとの契約更新により「クラブを危険にさらす」ことはできないと言明。バルセロナはもはやメッシと契約交渉を行っておらず、メッシは他のクラブからのオファーを検討していると述べた。

 ラポルタ会長は、「私たちはきのう、もう終わりであることを自覚した。メッシの父親と、最後の話し合いをした」と説明。「間違った期待は与えたくない。メッシには他のオファーも届いている。リーグ戦の開幕直前で時間も限られており、彼には他の選択肢を考える時間が必要だ」と語った。

 移籍先の有力候補とされているのはフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)だが、昨年メッシ獲得を試みたイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)も交渉に乗り出す可能性がある。ラポルタ会長は「メッシは当然、大きなオファーを複数受けるだろう」と述べた。

 メッシはバルセロナとの交渉で、年俸半減を伴う5年契約で合意していた。しかしラ・リーガ(La Liga)の規定により、バルセロナは今季の総年俸額の上限が2億ユーロ(約260億円)に引き下げられる予定で、これによりメッシとの合意を履行できなかった。

 3月の選挙でバルサ会長に復帰していたラポルタ会長は、「私たちが引き継いだ状況はひどいものだった。選手年俸の支出はクラブの収入の110%に相当する。年俸に使えるゆとりはない」と述べた。

 ラ・リーガは今週、投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズ(CVC Capital Partners)が今後50年にわたり事業の10%を保有し、引き換えに27億ユーロ(約3500億円)を即時融資することで同社と合意したと発表。うち90%はスペイン1部・2部リーグの各クラブに分配するとした。

 だが現在も欧州スーパーリーグを支持し、構想に残っているバルセロナとレアル・マドリード(Real Madrid)はこの合意に抗議。ラポルタ会長は、この資金を使えばメッシとの契約も可能だったものの、「半世紀にわたりクラブのテレビ放映権を抵当にする契約に同意しなければいけなかった」と説明。クラブをそのような危険にさらすことはできなかったと強調した。(c)AFP