【8月7日 AFP】(更新)アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が、同国南西部ニムルズ(Nimroz)州の州都ザランジ(Zaranj)を制圧した。同州副知事が6日、AFPに明らかにした。タリバンが外国部隊のアフガン完全撤収開始に伴って始めた攻勢で、州都を掌握するのは初めて。

 副知事によると、ザランジは「抵抗なしに」陥落した。ソーシャルメディアに投稿された動画には、街を歩き回る武装勢力が地元住民から歓声で迎えられる様子が捉えられているが、動画の信ぴょう性は確認できない。

 イラン国境付近に位置するザランジの陥落は、戦略上重要ではないものの、タリバンの攻勢から各地の州都を死守しようとしている政府にとって心理的な打撃となる。副知事は、「ザランジはしばらく前から脅威にさらされてきたが、中央政府の人々は誰も私たちの言うことに耳を傾けなかった」と語った。

 アフガニスタンの首都カブールでは6日、政府メディア情報局の責任者を務めていたダワ・カーン・メナパル(Dawa Khan Menapal)氏が暗殺され、タリバンが犯行声明を出した。タリバンは4日、政府軍や米軍による空爆強化に対する報復として、政府高官を標的とした攻撃を宣言していた。

 タリバンはすでに地方部の広範囲を掌握しており、複数の州都で政府軍に攻勢をかけている。(c)AFP