【8月6日 AFP】ハイパーインフレーションに苦しむ南米ベネズエラの中央銀行は5日、通貨ボリバルの単位を6桁切り下げるデノミネーション(通貨呼称単位の変更)を実施すると発表した。10月1日から呼称を「ボリバル・デジタル」に切り替え、新紙幣を発行する。

 中銀は、「自国通貨で表示されるすべての金額は、100万分の1になる」と発表。ボリバルの使用を「促進する」ためと説明した。

 近代史上最悪の経済危機に見舞われているベネズエラがデノミを実施するのは、この13年間で3回目。2008年に3桁のデノミを行った後、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の左派政権は2018年8月、さらに5桁切り下げ、現行の「ボリバル・ソベラノ」を導入した。

 かつては産油国として繁栄を誇ったベネズエラだが、景気後退が8年続いており、この4年間はハイパーインフレに苦しんでいる。今年1月から5月までに物価は265%上昇した。中銀によると、インフレ率は2019年に9500%、2020年に約3000%を記録した。 (c)AFP