【8月6日 AFP】米アップル(Apple)は5日、スマートフォン「iPhone」やタブレット型端末「iPad」で、子どもへの性的虐待に当たる素材が米国内のオンラインストレージにアップロードされた場合に検出し、通報する技術を導入すると発表した。プライバシー保護を訴える団体などからは懸念の声が上がっている。

 アップルは、「子どもを食い物にするためにコミュニケーションツールを使う加害者から、子どもたちを守ると同時に、児童性的虐待マテリアル(CSAM)の拡散を制限したい」とオンラインに投稿した。

 アップルのモバイル機器に搭載されたソフトウエアが、ユーザーの虐待写真と、児童の権利保護団体から提供されたCSAM画像のデータベースを照合。同社のクラウドストレージサービス「iCloud(アイクラウド)」にアップロードされると、フラグが付けられる仕組みだという。

 だが、デジタル関連人権保護団体は、アップルのオペレーティングシステムに微調整を加えることは、政府などが利用できる「バックドア(セキュリティーの抜け穴)」を作る可能性があると指摘している。

 アップルはこれに対し、画像に直接アクセスすることはないと反論し、プライバシーとセキュリティーを保護するための措置を講じていると強調した。

 アップルの発表によると、問題があると判断された画像は、全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)に報告され、同センターが警察と協力するという。(c)AFP/Glenn Chapman