【8月6日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は5日、香港での政治的抑圧をめぐり身の危険を感じる在米香港市民に対し、一時的な保護措置として滞在許可を延長すると発表した。

 バイデン大統領は声明で、今回の措置は中国政府が香港で人権と自由の「著しい侵害」に及んでいることを認めるものだと説明。香港国家安全維持法の下、民主派の政治家や活動家、デモ参加者100人以上が国家の分裂や転覆、テロ活動などの疑いで「政治的動機に基づき逮捕」されたほか、反政府デモに関連し1万人以上が逮捕されたと指摘した。

 今回の決定により、現在米国に滞在中の香港市民は1年6か月間の滞在と就労が認められる。滞在許可は一時的だが、定期的に更新が可能。

 香港市民への滞在許可は、米中関係を一層悪化させる可能性が高い。両国は、中国の台湾や南シナ海(South China Sea)に対する領有権主張や、米企業に対する知的財産権侵害の疑い、中国西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のウイグル人などの少数民族に対する抑圧をめぐり対立。中国は、自国の超大国への成長を米国が抑圧しようとしていると考えている。(c)AFP/Paul HANDLEY