【8月6日 AFP】東京五輪のベラルーシ陸上代表で、強制帰国により自身の命に危険が及ぶと訴えポーランドに亡命したクリスツィナ・ツィマノウスカヤ(Krystsina Tsimanouskaya)選手(24)が5日、同国の首都ワルシャワで記者会見し、「安全でいられてうれしい」と心境を語った。

 ツィマノウスカヤ選手は1日、自国のコーチ陣を公に批判したことで帰国を命じられたと訴え、五輪スタッフに保護を要請。五輪開催のさなかに外交問題を引き起こしていた。

 欧州連合(EU)加盟国のポーランドは、ツィマノウスカヤ選手に人道ビザ(査証)を発給。同選手は4日、東京からオーストリア・ウィーン経由でワルシャワに到着した。

 ツィマノウスカヤ選手は入国翌日に開いた会見で、「ここに来られてうれしい。安全でいられてうれしい」と表明。「スポーツの問題として始まったものだったので、このような政治スキャンダルになったことに驚いている」とし、政治亡命は考えていないと語った。

「スポーツ選手としてのキャリアを追求したいという一心だ」とも述べ、夫も同日中にポーランドに到着する予定だと説明した。同選手の夫は4日にウクライナへ逃れており、ポーランド政府は夫にも人道ビザを発給したことを明らかにしている。

 ツィマノウスカヤ選手は「ここにとどまって、私はキャリアを追求し、夫は仕事を見つけられればと願っている」と期待を示した一方で、「ベラルーシで安全でいられると思えるようになったら、帰国する考えはある」とも話した。(c)AFP/Dario THUBURN / Mary SIBIERSKI