【8月5日 People’s Daily】今年は中国の夏収穫の穀物が豊作で、生産量は史上最高を記録し、年間穀物生産量は6億5000万トン以上を保持し、堅実に推移している。

 中国は人口の割に水資源が少なく、水資源の分布に不均衡があり、水資源やインフラ、水質や水不足などの問題を抱えている。水は食糧供給とも密接な関係にあり、灌漑(かんがい)面積は絶え間なく増え、穀物生産量も豊作が続いている。では、中国の水は十分なのか。

 近年、甘粛省(Gansu)酒泉市(Jiuquan)で開催された第1回西北節水シンポジウムでは、農業節水の「成績表」が発表された。ここ30年間における中国の農業灌漑で使われた水の量は、年平均で約3400億立方メートルを維持しており、これは社会全体で使われる水の約56%を占める。中国は地球上の淡水の6%と9%の耕地を占め、世界の20%の人口の食糧をまかなっている。

 中国の農業用水総量は基本的に安定的推移を保っているが、節水灌漑の貢献は欠くべからざるものである。2020年末までに、全国で節水灌漑が行われている面積は5億6700万ムー(約37万8000平方キロメートル)に達し、うちスプリンクラー灌漑や点滴灌漑など、高効率な灌漑が行われている面積は3億5000万ムー(約23万平方キロメートル)に達した。全国の農地における灌漑の有効利用係数は0.565である。

 大・中規模灌漑地は続々と節水型に切り替えを行っている。都江堰(Dujiangyan)、涇恵渠(Jinghuiqu)、青銅峡(Qingtongxia)など、早くに灌漑工事が行われた地域では、新しい活力を吹き込むリニューアルがなされている。また、景電(Jindian)や昌馬(Changma)など新しい中小灌漑地が続々と建設されている。中国の灌漑面積は1949年の2億4000万ムー(約16万平方キロメートル)から、10億3700万ムー(約69万600平方キロメートル)弱まで発展し、世界一の灌漑大国となった。

 水の価格改革は節水に革命をもたらした。2018年から2020年までの間、中国で水理工事の発展に費やされた資金は45億元(約760億円)にのぼり、農業用水料金の機構形成や、適切な補填金と節水奨励機構、土木工事と管理機構、用水管理機構の建設がおおいに効果をあげた。2020年末までに、全国で農業用水料金の総合改革がなされた面積は累計4億ムーを数える。北京・上海・江蘇省(Jiangsu)・浙江省(Zhejiang)などでまず改革が完成し、天津(Tianjin)や陝西省(Shaanxi)で改革の実施された面積は、灌漑を用いた耕地面積を基本的にカバーするまでに至った。

 水利省農村水利水電局の陳明忠(Chen Mingzhong)局長によれば、近年、中国政府は多額の中央財政を投入して、大・中規模の灌漑地区で節水モデルへの改造と体系化を続けている。次に、水利省は政府による資金投入の増大に基づき、投資・融資体制機構の革新を進め、地方政府用の専用債権を用い、社会資本の参与と建設運営を奨励するなど、多方面からの資金繰りを計画している。(c)People’s Daily/AFPBB News