【8月5日 AFP】東京五輪のスケートボード・パークでは、4日の女子で10代の選手がメダルを独占し、若者に道を示したが、5日の男子では、二人のベテランが逆の意味で年齢は関係ないことを証明した。

 5日のスケートボード男子パークには、デンマークのルネ・グリフベア(Rune Glifberg)と南アフリカのダラス・オーバーホルツァー(Dallas Oberholzer)という、ともに46歳の選手が登場。予選最下位と下から2番目の成績で、8人で争う決勝には進出できなかったが、不良や問題児のやるものとされていた時代にスケボーを始めた二人が、五輪の晴れ舞台を堪能した。

 ゼブラ柄のシャツをまとった銀髪のオーバーホルツァーは、「自分がスケボーで五輪に来られるなんて思いもよらなかった。昔のスケボーはタブーだった。まわりが眉をひそめるもので、時間の無駄とされていた」と振り返り、「だけど今はもっとオープンになり、誰もが楽しめる自由なものになった。今のスケボーがうれしい。どんどん盛り上がって、大きくなっている」と喜んだ。

 二人はどちらもこの世界で長く活躍し、グリフベアはスケボーゲーム「Tony Hawk's」シリーズの1作目に登場したこともある。

 グリフベアによれば、1980年代の若手スケートボーダーにとって、五輪は「おそらく一番ダサいものの一つ」で、自身も「かなりどうでもいい」と思っていたという。しかしスケボーが初めて実施競技に加わった五輪で、有明アーバンスポーツパーク(Ariake Urban Sports Park)のコースに1番手で滑り出せたことは「非常に光栄」だったそうだ。

「われわれがここへ来たのは、スケボーは美しいということを世界に示すためだ」

「メダルとか、点数とか、誰が一番速いとか、一番高いといった問題じゃない。一番本当のスケボーを見てもらうため、ここにいる」

 3年後のパリ五輪に二人が出場する可能性は低いが、オーバーホルツァーは東京で足跡を残せたことに満足しており、「46歳で五輪に出られた。それ以上に証明すべきことなんて何もない」とコメントしている。

「40代の選手が出られることはもうないと思う。今後は30代で出られるだけでもラッキーだろう」

「ルネも自分も、おじさん世代を代表して出られたことをうれしく思っている。スケボーが改めてはみ出し者の集まりだというところを見せられてよかった」 (c)AFP/Andrew MCKIRDY