【8月5日 AFP】レバノンの首都ベイルートの港湾地区で大規模爆発が発生して1年となる4日、平時に起きた災害としては最多の死者が出た爆発への責任追及を求める抗議デモが市内で行われ、数千人が参加した。

「爆心地」で追悼式が厳かに行われる中、そこから程近い議会の入り口付近では、議員らが真相究明を先延ばしにしていると非難するデモ隊と機動隊が衝突した。

 機動隊は、石や爆竹、火炎瓶を投げたデモ隊に催涙ガス、放水銃、ゴム弾を使用。レバノンの赤十字(Red Cross)によると、50人以上が負傷した。

 ベイルート市内中心部では、大勢の市民が爆発の説明責任を求めるプラカードを掲げ、死者を悼む歌を歌いながら港湾地区に向かって歩いた。

 昨年8月4日、ベイルートの港湾地区の倉庫に無計画に保管されていた硝酸アンモニウム肥料数千トンが爆発し、街は戦場のようになった。

 核によるものを除いた爆発としては過去最大級で、少なくとも214人が死亡し、周辺地域はすべて破壊された。国民は心に非常に大きなダメージを受け、同国の経済危機もさらに悪化した。

 爆発が起きた午後6時7分になると、壊滅状態の港や廃虚となった穀物用サイロの横を抜ける、車の姿が消えた幹線道路の上で、数千人の市民が夕日に照らされながら1分間の黙とうを行った。(c)AFP/Tony Gamal Gabriel and Christy-Belle Geha