【8月4日 AFP】英イングランド中部のバーミンガム刑事法院(Birmingham Crown Court)は3日、数十年前にレイプされて妊娠した女性が産んだ娘のDNAサンプルに基づき、レイプ犯に禁錮11年の有罪判決を言い渡した。

 カーベル・ベネット(Carvel Bennett)被告(74)は1970年代、当時13歳だった被害者をレイプし、妊娠させた。被害者は娘を出産し、養子に出した。

 娘は18歳になって母親の妊娠の経緯を知り、事件を追及すると決意。DNAサンプルを提供した。その結果、ベネット被告が父親である可能性は、被告と血縁関係のないアフリカ系カリブ人男性の2200万倍高いことが明らかになった。

 ベネット被告は、被害者との性行為については認めたが、合意の上で、被害者は16歳だとうそをついたと主張した。

 マーティン・ハースト(Martin Hurst)判事は、「被害者たたき」だとベネット被告を非難。娘は「多くの閉ざされた扉に直面し、母親を説得してトラウマを追体験させなければならなかった」と述べ、正義を求めた闘いだと称賛した。

 被害者は、量刑言い渡しの前の意見陳述で「独りで対処しなければならない」ことだと感じていたと明かし、「若くして妊娠したことで、人から汚らわしいと言われた。私は被告の恥を背負ってきたが、私にとって、その恥は自分のものでもあった」と述べた。

 ウェストミッドランド警察(West Midlands Police)によると、被害者は事件当時も2014年に連絡した時も、告訴を望まなかった。しかし、2019年になって気持ちが変わり、捜査の結果、ベネット被告の逮捕に至った。(c)AFP