【8月4日 AFP】東京五輪のベラルーシ陸上代表で、自国の五輪委員会を批判し帰国命令を受けたとされるクリスツィナ・ツィマノウスカヤ（Krystsina Tsimanouskaya）選手（24）が4日、成田国際空港（Narita Airport）からオーストリア・ウィーン行きの便で出国した。人道ビザ（査証）を発給されたポーランドへ向かうとみられる。

　空港関係者が報道陣に語ったところによると、ツィマノウスカヤ選手は当初、ポーランドの首都ワルシャワへの直行便に搭乗する予定だったが、直前になって変更した。

　ツィマノウスカヤ選手はベラルーシの五輪委員会を批判。帰国するよう指示されたと主張し、保護を求めて在日ポーランド大使館に入った。

　空港では報道陣からの問いかけには答えず、午前11時すぎの便に搭乗した。

　強権支配で知られるアレクサンドル・ルカシェンコ（Alexander Lukashenko）大統領が昨年の選挙で6期目の当選を果たしたと主張するベラルーシでは、政局が混乱し、反政府活動の弾圧が行われている。

　ツィマノウスカヤ選手は、抗議の声をあげた同国スポーツ関係者の一人。夫はすでにウクライナに逃れている。

　ツィマノウスカヤ選手は、ウクライナに逃れている夫とポーランドで合流する予定。ルカシェンコ政権を厳しく批判するポーランドでは、ベラルーシから逃れてきた反体制派が増えている。(c)AFP/Kyoko HASEGAWA / Sara HUSSEIN