【8月4日 AFP】東京五輪・体操女子種目別平均台の決勝で獲得した銅メダルは「すべての金メダルよりも大きな意味がある」──米国のシモーネ・バイルス(Simone Biles、24)が米NBCテレビのインタビューで語った。

 心身のバランスを崩し、これまでの5種目を棄権・欠場していたバイルスは、3日に行われた最終種目の平均台に出場した。非常に困難かつ危険な競技に戻ってきたその勇気は、この大会で最も説得力のある物語の一つとなった。

 空中で平衡感覚を失うメンタルブロック状態「ツイスティーズ」に苦しんでいると明かしたバイルスが最終種目で銅メダルを獲得すると、ソーシャルメディアには祝福のコメントがあふれた。

 1976年の五輪大会で10点満点を獲得したルーマニアの女子体操選手、ナディア・コマネチ(Nadia Comaneci)氏もそのうちの一人。「おめでとう@シモーネ・バイルス…@東京五輪で最も重要なメダル」と書いた。また、バイルスのコーチ、セシル・ランディ(Cecile Landi)氏も、「あなたをどれだけ誇りに思っているか、言葉では言い表せません!」とインスタグラム(Instagram)に投稿した。

 インタビューでバイルスは、中国の管晨辰(Guan Chenchen、カン・シンシン)と唐茜靖(Xijing Tang、タン・シジン)に次いで3位となった平均台での演技を振り返り、「この5年間、そしてここでの1週間、私はさまざまなことを経験した。(この銅メダル)はすべての金メダルよりも大きな意味がある」と語った。

「それは…とても感動的なものだった」と述べ、「自分自身を誇りに思う。チーム全員を誇りに思う」と続けた。「結果はあまり気にしていなかった。結果よりも、演技ができたこと、もう一回出場できたことがとてもうれしかった」

 他方で次のパリ大会についても触れている。

 バイルスは、「まず、(準備期間を含めた)今回の五輪の全期間を振り返る必要がある。たくさんのことがあった。長い5年間だった」と話し、「だからパリ大会については何も考えていない。その前に、自分のためにやらないといけないことがたくさんある」と説明した。(c)AFP/Nick REEVES