【8月3日 AFP】東京五輪のボクシング女子メダリストは、女子ファイターのイメージについて明確なメッセージを発信し、自分たちの成功でボクシング界がもっと多くの選手を獲得できるよう願った。

 入江聖奈(Sena Irie)は3日に行われたフェザー級決勝で5-0の判定でネスティ・ペテシオ(Nesthy Petecio)を下し、日本の女子選手として同競技初の金メダルを獲得。敗れたペテシオも同じくフィリピン女子初となる同競技のメダリストとなった。

 初実施となった2012年ロンドン五輪はわずか3階級だったボクシング女子は、東京大会では5階級に拡大され、過去に例のない盛り上がりを見せているが、選手側はもっと多くのことをする必要があると話す。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって1年延期された今五輪のボクシングで金メダル第1号となった20歳の入江は、自身は「本当に運動音痴」だという。

「運動が苦手な子にも、努力をあきらめなければ、何かつかむことができると教えてあげられたのかなと思います」

「私が金を取ったことで、メディアに取り上げてもらい、女子ボクシングが盛り上がってくれたらうれしいと思います」

 また、銅メダルを獲得したイタリアのイルマ・テスタ(Irma Testa)も入江に同調している。

 イタリアボクシング界の歴史に名を刻んだ23歳は、「心から誇りに思うとしか言えません」と胸を張った。「イタリアで女子ボクシングをもっと人気競技にするために、自分としてはメダル獲得がとても重要でした」

「(イタリアでは)これが女子ボクシング史上初のメダルで、このメダルをイタリアで若い子に見せることで、ボクシングが男子だけのものではなく、女子のためのスポーツでもあることを伝えられます」  

 また入江は、女子ボクシングの認知度を上げるには課題があるとし、壁になるのは女子ファイターが「凶暴」で「気性が荒い」という固定概念だと強調した。「そんなことはなくて、そういうボクサーの荒々しいイメージを払拭(ふっしょく)できたらいい」 (c)AFP/Peter STEBBINGS