【8月3日 Xinhua News】中国雲南省(Yunnan)の国境に近い山中に位置する臨滄市(Lincang)双江県(Shuangjiang)沙河郷景亢(けいこう)村で、一軒のカフェが人気を集めている。

 その名も「佬佤(ろうわ)牛舎カフェ」。もともと本物の牛舎だったところをカフェに改造したという。

 店主の艾芒(Ai Mang)さんは「今はもうほとんどの人が稲作をやめてしまい、酪農をする人も少なくなり、遊休牛舎が目立つようになった。そこに目を付けて、集落の牛舎をカフェに改造した」と語る。

 艾さんは25歳の時、音楽を学ぶためにふるさとを離れて北京へ行き、卒業後はそのまま同地でレストランを経営しながら、コーヒーのいれ方を習得した。臨滄市がここ数年、農村観光開発に力を入れていることを知ると、それをチャンスととらえた艾さんは、双江県に戻ってコーヒーの木を栽培し、ゲストハウスとレストランをオープンした。

 その後、「佬佤牛舎カフェ」を開業すると、この小さな村は農村観光の機に乗じて話題のスポットとなった。 

 艾さんは今では、専業合作社(協同組合)を立ち上げ、村民を率いてコーヒー豆を栽培している。カフェで使われる豆は、全て村民が丹精込めて育てたものとなっている。艾さんの専業合作社が生産したスタンダードコーヒーの豆は、すでに北京や上海にも出荷されており、2019年に専業合作社が買い取ったコーヒーの果実は480トン、取引額は137万元(1元=約17円)に達している。(c)Xinhua News/AFPBB News