【8月4日 CNS】ここ数年、中国の各地で「いたずらっ子が映画館のスクリーンを蹴ったり叩いたりして壊し、保護者が弁償するはめになる」というニュースがSNSで広まり、そのたびに話題になったが、全く止まらない。江蘇省(Jiangsu)淮安市(Huaian)では最近、保護者がみていない時、3歳の女の子が何度も席を離れ使用中のスクリーンを叩き、スクリーンにしわができて上映の調子が悪くなったことがわかり、映画館と保護者との間で弁償問題が起きた。7月20日、揚子晩報(Yangtse Evening Post)の記者は、通報を受けた淮安市清江浦公安分局(警察支局)聯盛警務ステーションと映画館側から、現在後処理のため、スクリーンメーカーの鑑定結果を待っていることを知った。

 聯盛警務ステーションの関係者は記者に、管内のハリウッド映画館のスクリーンが子供に叩き壊されたという通報を月初めに受けたと伝えた。映画館のスタッフは女の子が使用中スクリーンを叩いていることに気づかなかったが、映画が終わった時、他の観客から、スクリーンが壊れていないか確認したほうがいいと言われ、モニターをまわし確認できた。映画館のスタッフはもちろんスクリーンの貴重さを知っていて、その場で女の子の保護者と弁償交渉をした。

 部分的に修理できる場合、約4、5千元(約6万7654円、8万4568円)かかると映画館側は試算した。修理で解決できなければ、スクリーンを交換するしかない。コストは約6万元(約101万円)で、スクリーンを交換するのに2、3日もかかる。材料費や人件費、映画館の閉鎖による損失や興行などの損失を合わせると、最高10万元(約169万円)程度の弁償が見込まれる。

 モニターを見て、女の子の保護者は子どもの過ちを認めたが、弁償金が高すぎると思っていた。そこで警察が介入し、具体的な処理についてはスクリーンメーカーの鑑定を待たねばならなかった。警察は、双方が映画館の被害について私的交渉をし、合意できない場合、映画館が人民法院に訴訟を起こすことができると明らかにした。

「金属スクリーンですが、もろいです。形状記憶まくらみたいに弾力のあるものではない。ちょっと触れただけで跡が残るし、ましてや子供が蹴ったり叩いたりすればなおさらだ」。南京市(Nanjing)のある映画館のマネージャーは記者に、彼女は映画館内のスクリーンを触ったことがあり、それは、とても厚く、一種の特殊な金属スクリーンだが、少しの折り目があってもいけないものだった。もし少しの溝やしわがあれば、投影時にその部分は黒くなり、観客は映画を観た時にそこが黒い穴だと感じてしまうと伝えた。

「いたずらっ子」が映画館のスクリーンを壊すことは、ここ数年よくあることだ。

 業界関係者の試算によると、同じ大きさの国産の大型スクリーンの製造費は、1平方メートル当たり500〜800元(約8456円〜1万3530円)で、輸入の場合は800〜1500元(約1万3530円〜2万5370円)となる。たとえ壊れたのが一角でも、スクリーン全体を入れ替えなければならないかもしれない。(c)CNS/JCM/AFPBB News