【8月3日 AFP】ドイツは2日、インド太平洋地域に約20年ぶりにフリゲートを派遣した。ドイツと中国の微妙な関係に緊張が加わる可能性がある。

 フリゲート「バイエルン(Bayern)」は、兵士200人以上を乗せて、ウィルヘルムスハーフェン(Wilhelmshaven)港を出港。インド太平洋地域におけるドイツの存在感を高める6か月間の任務に就き、シンガポール、韓国、オーストラリアを経由する。

 重要なのは、中国と近隣諸国、および近隣諸国と同盟する米国など西側諸国との間で緊張の火種となっている南シナ海(South China Sea)を通過する点だ。

 ドイツのアンネグレート・クランプカレンバウアー(Annegret Kramp-Karrenbauer)国防相は出港に先立ち、「メッセージは明確だ。われわれはパートナー国や同盟国と共に、われわれの価値と利益のために立ち上がる」と述べた。

「インド太平洋地域のパートナーにとって、海路はもはや開かれた安全なものではなく、領有権の主張が『力の法則』に基づいて行われているという現実がある」

 ただし同氏は、この任務が特定の国に向けたものでないことを強調し、「対話を維持するために」中国の港を訪問することを申し出たと明かした。

 バイエルンは、東アフリカにおける欧州連合(EU)の対海賊海上作戦「アタランタ(Atalanta)」にも参加し、国連(UN)の対北朝鮮制裁の監視にも協力する。(c)AFP