【8月2日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は2日、東京五輪の表彰台で初めて抗議行動をした陸上女子砲丸投げのレーベン・サンダーズ(Raven Saunders、米国)について「調査中」であると明かした。

 1日の決勝で銀メダルを獲得したアフリカ系米国人のサンダーズは、表彰式で腕をクロスさせて「X」のジェスチャーを示した。

 サンダーズは黒人で、性的少数者(LGBT)の権利の支持に積極的なことでも知られている。

 米国メディアによると、サンダーズは「抑圧された人たち」との連帯を示すジェスチャーだと話しているといい、本人も銀メダル獲得後、「闘っているのに、自分たちの意見を主張する機会がない世界中の人たち」を代表したいとコメントしていた。

 IOCは、五輪の表彰式ではあらゆる抗議行動を禁止しているが、大会前にルールを緩和し、競技前の平和的な抗議については認めた。ただし、表彰台での抗議行動については厳しいルールを維持している。

 今回の抗議行動について問われたIOCの広報担当マーク・アダムズ(Mark Adams)氏は、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)、陸上競技を統括するワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)と連絡を取ったと明かした。

「当然ながらわれわれは本件を調査しており、これから次のステップについて検討する」と話したアダムズ氏は、処分の可能性などに踏み込むことは避けた。

 USOPCは大会前、抗議行動についてアスリートを処分することはないと表明している。

 専門家によると、制裁を科した場合は世間の反発が予想されるため、IOCが厳しい対応を取る可能性は低いという。(c)AFP