【8月2日 AFP】カンボジアのフン・セン(Hun Sen)首相は1日、期待されていた国内の石油採掘事業が「失敗」に終わったと表明した。8か月前に生産を始めたばかりだった。

 カンボジアは昨年12月末、豊富な埋蔵量があるとみられるタイ湾(Gulf of Thailand)での石油採掘を開始したと発表した。

 だが、同事業を手掛けるシンガポールの石油開発企業クリスエナジー(KrisEnergy)が資金難に陥り、6月に清算を申し立てたことから、事業の存続が危ぶまれていた。

 フン・セン氏は1日、「12月29日に石油の最初の一滴が生産されたと発表した。(中略)どうやら失敗だったようだ」と述べた。

 クリスエナジーは、ピーク時の生産量は日量7500バレルに上ると見込んでいた。これは、隣国ベトナムやタイの生産量に比べればわずかなものだが、経済的に貧しいカンボジアにとって重要な収入になると期待されていた。

 フン・セン氏は、「結局、生産量は1日に1000バレル」で、「その上、いまや企業が破産した」と述べた。

 同氏はまた、クリスエナジーが「石油タンカーも持って行った」と主張。「阻止しようとしたが間に合わなかった。(中略)石油と共に逃げた」と説明したが、詳細には触れなかった。

 AFPは、クリスエナジーにコメントを求めた。

 カンボジアの石油採掘事業権益の95%をクリスエナジーが、残りの5%を同国政府が保有していた。

 2017年には、プロジェクトの第1フェーズで少なくとも5億ドル(約550億円)のロイヤルティーと税収が見込まれると試算されていた。(c)AFP