【8月2日 Xinhua News】中国の今年上半期(1~6月)の新エネルギー車(NEV)生産・販売台数はそれぞれ121万5千台、120万6千台で、伸び率はいずれも前年同期の3倍超となった。チップ不足や原材料価格高騰による影響を受けたものの、政策と市場による「両輪駆動期」に入った新エネ車は依然力強さをみせた。

 注目すべきは新エネ車の市場浸透率が6月単月で12%、1~6月で9・4%になった点だ。中国は「新エネルギー車産業発展計画(2021~35年)」で、新エネ車の市場浸透率を25年に20%にする目標を打ち出している。

 充電施設が整備され、消費者の航続距離に対する不安もかなり解消された。業界団体の中国電気自動車(EV)充電インフラ促進連盟の統計によると、全国の充電設備数は6月末時点で前年同期比47・3%増の計194万7千カ所となった。

 EV大手の比亜迪(BYD)の担当者は、車載電池やモーター、電子制御などの技術が成熟したことで、EVは加速や騒音、エネルギー消費効率、スマート化などの面でガソリン車を追い抜いたとの認識を示した。2005~15年の10年間でようやく1%を超えた新エネ車の市場浸透率は16~19年上半期の3年余りで5%へと急速に拡大し、現在も加速傾向が強まっているとも説明。19年下半期(7~12月)から20年上半期はマクロ経済や業界の構造調整、新型コロナウイルス感染症など複数の要因が重なたことで足踏み状態となったが、20年下半期からは再び急速成長軌道に戻ったと指摘した。

 中国汽車工業協会は中国の今年の新エネ車販売台数を前年比76%増の240万台と予測している。

 新興EVメーカー、威馬汽車科技集団の創業者、沈暉(Shen Hui)氏は「新エネ車、特にスマートEVは既存の自動車産業構造を作り変え、ビジネスモデルの転換も促した。新エネ車の現在の市場での堅調ぶりを見る限り、浸透率20%の目標はかなりの確率で前倒し達成される」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News