【8月2日 AFP】中東オマーン沖で起きたイスラエル系英企業が運航する石油タンカーへの攻撃について、米英は1日、同盟国のイスラエルに続き、イランによるものと非難した。

 石油タンカー「マーサー・ストリート(MT Mercer Street)」は7月29日、オマーン沖で攻撃を受けた。イスラエルの著名実業家エヤル・オフェル(Eyal Ofer)氏が所有し、英ロンドンに本社を置く運航企業ゾディアック・マリタイム(Zodiac Maritime)によると、ルーマニア人と英国人の乗組員計2人が死亡した。

 イスラエルは30日、イランが攻撃を実施したと非難。ヤイル・ラピド(Yair Lapid)外相は、国連(UN)で「イランのテロ行為」に対する国連の行動を促すよう外交官に指示したと明らかにした。

 イランは1日、攻撃への関与を否定。外務省のサイード・ハティブザデ(Saeed Khatibzadeh)報道官は、イスラエルは「このような根拠のない非難をやめるべきだ」と反論した。「イランは、国益と国家安全保障を守るために、一瞬たりともちゅうちょしない」

 間もなくイスラエルのナフタリ・ベネット(Naftali Bennett)首相は、「ひきょうなやり方」で「責任を逃れようとしている」と再反論した。「絶対的な確信を持って、イランがタンカーを攻撃したと判断している」

「証拠となる情報が存在しており、国際社会がイラン政府の重大な過ちを明らかにすることを期待している」

 英国のドミニク・ラーブ(Dominic Raab)外相は、同国政府の本件に対する見解を発表し、「意図的かつ標的を定めたもので、イランによる明らかな国際法違反だ」と述べ、イランが「1機以上のUAV(無人航空機)」を使ってタンカーを攻撃したとの見方を示した。

「イランはこうした攻撃をやめるべきであり、船舶が国際法に従って自由に航行できるようにしなければならない」

 米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は、「(米政府は)イランがこの攻撃を行ったと確信している」と述べ、「しかるべき対応」を取ると発表した。(c)AFP/Jonah Mandel