【8月1日 AFP】熱波に見舞われたグリーンランドでは、気温がこの時期の平均より10度以上高くなり、氷床では「大規模な融解」が起きている。

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 デンマークの研究者らが運営するウェブサイト「ポーラー・ポータル(Polar Portal)」によれば、先月28日以降、グリーンランドを覆う氷床は1日あたり約80億トン融解しており、これは夏の平均ペースの2倍に上る。

 デンマーク気象研究所(DMI)によれば、グリーンランド北部の気温は20度を超え、夏の平均気温の2倍以上となった。

 先月29日にはグリーンランドの大部分が熱波の影響を受け、ポーラー・ポータルは氷床の「大規模な融解」を報告した。解けた氷の量は「米フロリダ州を深さ約5センチの水が覆う」ほどになるという。

 グリーンランドの氷床は、南極(Antarctica)大陸の氷床の次に大きく、面積は180万平方キロ近くに及ぶ。

 1月に発表された論文によると、グリーンランドの氷床の現在の融解ペースだと、2100年までに海面は10~18センチ上昇するとみられている。これは従来の予測よりも6割速いペースで上昇することになる。

 一方でポーラー・ポータルによれば、グリーンランドの今年の夏は降雪や雨により比較的涼しいスタートを切り、今年これまでに観測された融解の規模は平均の範囲内にとどまっている。融解は6月から9月初旬にかけて発生する。(c)AFP