【8月1日 AFP】南アフリカ当局は7月31日、今年1月からの6か月間に少なくとも249頭のサイが殺されたと発表した。新型コロナウイルス対策として導入されたロックダウン(都市封鎖)の緩和により、密猟者の移動が増えたことが一因。

 南アフリカには世界のサイの8割近くが生息している。サイの角は、アジアで伝統薬として珍重されており、密猟が後を絶たない。

 今年前半に殺されたサイの数は、前年同期に比べ83頭増加した。うち132頭は、クルーガー国立公園(Kruger National Park)で殺された。

 バーバラ・クリーシー(Barbara Creecy)環境・森林・水産相は発表で、「南アフリカでは2021年1月から6月末までの間に、249頭が角を目的とする密猟被害に遭った」と指摘。厳格なロックダウンの緩和が、「2021年上半期にサイの密猟行為が増加した」ことにつながったとみられるとしている。

 密猟は特に、民間のサイの保護地があるリンポポ(Limpopo)州、ムプマランガ(Mpumalanga)州、自由(Free、旧オレンジ自由)州で増えているという。

 サイの角は高額で取引されており、南アフリカではこの10年で数千頭のサイが密猟被害に遭っている。角は通常粉末状で取引され、その主成分は人間の爪と同じケラチン。(c)AFP