【7月31日 AFP】新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」は水痘並みの感染力があり、従来株より重症化しやすく、ワクチン接種済みの人でも未接種者と同様に感染を広げる可能性があることが、米疾病対策センター(CDC)の内部文書で明らかになった。

 CDCが作成した発表用のスライドでは、デルタ株によって「戦局が変わった」と指摘されている。スライドについては米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が最初に報じ、AFPもその存在を確認した。

 スライドによると、ワクチン接種済みの人が感染する「ブレイクスルー感染」は以前考えられていたようにまれではなく、今では接種済みの米国人1億6200万人のうち、週に3万5000人が感染して症状を示している要因となっている。

 他国の調査結果によると、従来の新型ウイルスの感染力は風邪と同程度だったが、デルタ株は感染者1人が平均8人に感染させる。これは水痘と同程度の感染力だが、麻疹よりは低いという。

 ワクチンの推定の有効性は国によって異なるが、CDCの推定によると、ワクチン接種済みの人の重症化・死亡のリスクは10分の1以下に、感染に対しては少なくとも67%の効果がある。

 専門家らは、マスクの着用率が高まれば感染の拡大ペースを遅らせることはできるかもしれないが、感染拡大を防ぐ解決策がワクチンであることに変わりはないと指摘している。(c)AFP