■「あえてうれしい」

 すべての人たちに気持ちの変化があったわけではない。今でも多くの人々がウイルスのリスクを心配している。東京都のコロナ新規感染者の数は、29日の時点で3日連続過去最高を更新していた。

 日本経済新聞(Nikkei)に26日に掲載された世論調査によると、今でも31パーセントの人々が大会は延期か中止されるべきだったと考えている。それでも約70パーセント近くは、何らかの形での開催を支持している。

 インド出身で、現在お台場に住んでいるチンタン・マクワナ(Chintan Makwana)さんは、近所で行われる競技を見に集まった人の群れに不安を感じ、「人はコロナがあると忘れている。こちらに住んでいる人にとっては、以前よりとても怖いです」と語った。

 臨海部のお台場には27日、当局の規制にもかかわらず数百人が集まり、雨の中で女子トライアスロンの選手を応援していた。

 ほとんどがマスクを着け、応援は拍手だけにとどめており、離れた場所から声援を上げる人もいた。

 近所に住む60代のファンは、競技に臨む選手に「がんばってー、がんばってー」と声を掛け、「にわかファンですけど、見られてうれしいです。子どもに自慢します」と笑った。

「いろんなことがあって、いろんなことが言われたけれど、ここに合わせてきた選手たちを応援してあげたいと思います」

 映像は東京で30日撮影。(c)AFP/Hiroshi HIYAMA