【7月31日 Xinhua News】中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント、Tencent)がゲーム分野への投資を加速させている。今年上半期(1~6月)に実施した投資は47回で、昨年通年の33回を上回った。今月19日には第2位株主として出資する英ゲーム開発会社スモウ・グループを完全子会社化すると発表。テンセントにとって今年最大規模の投資となる。

 テンセントは2019年にスモウの株式の8・75%を取得しているが、子会社を通じて残りの全株式を現金で買い取る。1株当たりの買収価格は513ペンス(1ペンス=約2円)。スモウの時価総額を9億1900万ポンド(1ポンド=約153円)と評価した。テンセントが英上場企業の全株式を取得するのは、これが初めてとなる。

 中国のゲームメーカー、上海米哈游網絡科技(miHoYo)の「原神」が大ヒットするなど、新興勢の台頭に危機感を強めているようだ。「原神」は昨年9月のリリース初月に世界売り上げがテンセントの「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」を上回った。「原神」は今年5月時点のモバイルゲーム売り上げランキングでも世界3位につけている。

 テンセントは08年に韓国ネクソンの「アラド戦記(DNF)」の代理運営を開始。ここからゲーム分野での快進撃が始まった。11年に「リーグ・オブ・レジェンド」を開発した米ゲーム会社ライアットゲームズの株式の93%を取得し、15年に残りの7%も買い取って完全に傘下に収めた。16年には「クラッシュ・オブ・クラン」を開発したフィンランドのゲーム会社スーパーセルの株式の84・3%を取得。「PUBG」を展開する韓国ゲーム大手クラフトンの第2位株主で株式の15・5%を保有している。(c)Xinhua News/AFPBB News