【7月31日 AFP】コロナ禍で開催されている東京五輪。感染拡大が続く中、大会中止を叫ぶ声はやむ気配がないが、あちらこちらで温かい声援が聞こえてくる。ファンは、規制をくぐり公道でアスリートを励まし、大会グッズを買い求めている。そのかいあってか、日本は大会前半にゴールドラッシュの快進撃を見せた。大会8日目(7月30日)終了時点で、日本は17個の金メダルに輝いている。

 新型コロナウイルスの感染対策のため、ほぼすべてのイベントが無観客となり、公道での競技には近づかないよう要請されている。それでも、五輪を一目見ようと、ファンらは大会の現場に出現している。

「走っている選手を見ると、『がんばれ』っていうふうに思ってしまいます」と話したのは、IT関係の専門職に就いている40代のファン。雨の中、自宅の前で行われている女子トライアスロンの様子を見るため、少しだけ外に出てみた。

「開会式まで、疑問に思っていたところはありました」と明かしたこのファンは、「競技が始まると『やってよかったかな』と思うようになりました。パラリンピックまで安全に開催できるといいなと思います」と話している。

 東京五輪は世界中から数万のアスリート、役員とメディア関係者を一堂に集め、23日に開幕した。しかし、新型コロナウイルス感染拡大のため、五輪は緊急事態下の東京で進行し、ファンは会場から閉め出され、増加する感染者数に国民の不安は募っている。

 それでも開会式当日、会場の国立競技場(Japan National Stadium)周辺には数千の人々が群がり、式の雰囲気に浸るとともに打ち上げられた花火に見入っていた。その数は五輪反対のデモ参加者をはるかに上回っていた。