【7月30日 AFP】ロシアは29日、同国の実験棟「ナウカ(Nauka)」が国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功したと発表した。ドッキング直後、推進装置の誤作動によって一時的にISS全体が傾くハプニングもあった。

 ナウカの打ち上げは当初、2007年に予定されていたが、さまざまな理由で繰り返し延期され、14年遅れでようやく実現した。

 ドッキングから数時間後、ナウカのスラスタ(推進装置)が突然作動。ISSに滞在する宇宙飛行士らは、ロシア区画のスラスタを噴射して対応した。

 米航空宇宙局(NASA)は、「(ナウカが)意図せず予期せぬ形で噴射を開始し、ISSの姿勢が45度傾いた」とツイッター(Twitter)で発表。「復帰作業で姿勢は戻り、乗組員に危険はない」

 NASA有人宇宙飛行部門責任者のキャシー・リーダース(Kathy Lueders)氏は記者会見で、この事態を「非常にエキサイティングな1時間」と呼び、事態を収拾した飛行士らを称賛した。

 NASAによると、ISSにドッキングしている宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の有人宇宙船クルードラゴン(Crew Dragon)はいつでも分離できる状態になっており、必要に応じてクルーを避難させる準備ができているとも明らかにした。(c)AFP/Anastasia CLARK